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“面白がり屋”のブロガーたちが、今日も「つれづれなるままに……」。

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PROFILE

小島 聖/女優

多彩な役をこなす演技力と存在感で、映画・舞台・ドラマなど幅広く活躍中。

http://www.flyingbox.co.jp/

photo: Kasane Nogawa

CALENDAR

Recipe 51

キングサーモンを焼く

1 地元のキングサーモンを買う。もしくは釣る。
2 塩コショウ、オリーブオイル、レモン汁でマリネしてアルミホイルで包む
3 火をおこしてその上にアルミホイルごと載せる
4 途中から炭をアルミの上にも載せてオーブンのようにはさみ焼きにする
5 ジュージューと音の加減で焼き上がりを確認して出来上がり

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初めて本物のキングサーモンを食べる
サーモンにも何種類かあるらしく、よく一般的なのはsockeye salmon(紅鮭)
サーモンの王様、キングサーモンは捕獲量も限られてるし日本では揚がることがまずない
この地でしか食べられない贅沢
そして今が釣りの最盛期
当然私は切り身でしか手にしていないけれど、持ったときの重さ、手につく油の感じ、色、艶が堂々としている
そういう食材を前にすると料理も緊張する
といってもあくまでも自然の中で食べる料理なのでいたってシンプルに食べるのがいちばん美味しいような気がする。
背側と腹側、どちらも油が程よく上品にのっていていくらでも食べられる
うまい!!
とひとくち食べた瞬間叫んでしまったほど
もちろんこれで十分に美味しいのだけれど、美味しいものを食べると思考が働く
思いつく
今、旬の土地のものを合わせたらおいしいのでは?
さっそく自分で何日か前に作ったブルーベリージャム、
漁港の町で買った一般的なのと比べると色も濃く、とってもスモーキーなbirch シロップを用意して、
アラスカ産の小麦で作ったパンケーキをスキレットで焼いてその上にサーモンをのせて
それぞれを試してみる。
まるでフランス料理を食べてるかのごとく錯覚を覚える
土地の旬のものの力は強い
旅先で過ごした時間の経験がこんなひとくちを私に想像させてくれた食卓
豊かだ


同じ水でも海と湖では
手に伝わってくる水の重さが全く違う
塩を含む海の方が軽い
水の色って何種類あるんだろう
肉眼で感じ取る色が全く違う
湖は潮の満ち干きがない分
上陸できるビーチも少なく
水面ギリギリまで木々が生い茂っている
おだやかな水上の散歩旅
毎日はじめて知ることにあふれている

しかし水は突然猛威を振るう
突発的な天気の変更で波が高くなり脅威になる
湖だと思って気を緩めていたら怖い目にあう
強風で向かい風の中パドルを続けるのは本当に体力を消耗する
さっきまでの穏やかなたゆたう時間が嘘のよう

足が地についてない分
私にはまだまだ水の上の旅は緊張感でいっぱいだ

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Recipe 50

ジャムを作る

1 荒野に自生しているSalmonberryやBlueberryを摘んでくる
2 生でその場で食べきれなかった実に砂糖をまぶしてなじませる
3 煮詰めてできあがり

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6月後半から7、8、9月の頭までベリー天国になるアラスカの荒野
摘みたてが一番美味しいけれど
ジャムにしてそのときの記憶を封じ込められるのも料理の良さ
荒野の宝石と思うほどSalmonberryは美しい色をしている
ラズベリーに似ている
手に取るとプチプチと、でもとても繊細でほろっとすぐ形がくずれる
いくらのような食感

摘みだすと自分の中の野生が目覚めてとまらなくなる
森の中を奥へ奥へと分入ってどこにいるのか、どれだけ時間が経ったのか
も忘れて夢中になってしまう
ふと我に帰ることが大切だ
そうしないと本当に元の場所に戻れなくなり、しまいには...野生動物と出会い頭に
なんてことも。ありうる。

トレイルを歩いているとき、カヤックで上陸したとき、ドライブ中
今の時期はベリーを探すのが楽しみだ

Recipe 49

白米を炊く
1 蒔きを集める。もしくは買ってくる。
2 火をおこす
3 ちょうど良い火具合になったらちょうどよく鍋が乗る棒を2本セットする
4 鍋を乗せてご飯を炊く。炊けたら蒸らす。

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火をおこしてご飯を炊く美味しさにすっかりハマってしまった
落ちている木を集めるときは時たまSpruce(トウヒ、エゾマツ)が混ざったりする。
蒔きを買うときはアラスカではSpruceかBirch(樺、このシロップがまた美味しい)がほとんど。
香りが全く違う。
この木の香りが火をおこすとご飯にほんのりうつって香ばしくそれがたまらない
自然のアロマ
火をおこすと体の周りにしつこく飛んでくる蚊やその他の虫も煙が嫌いで寄り付かなくなる
それでまたゆっくりと美味しいご飯を食べられる

キッチン

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昔本屋さんで美しい鮮やかな装丁が目に止まり手に取った一冊の本
それは吉本ばななさんのキッチンだった
いまだに私の本棚にある
キッチン
私はキッチンにいる時間が好き
そこで生まれる料理、会話、香り、動き、すべてにそそられる
どんな形のキッチンでどんな道具をつかってて
だから友達のお家を訪ねたりするときもキッチンにワクワクする
では自分が家を建てるとしたらどんなキッチンにしたいか
考え出すと止まらない
まだまだ自分サイズのキッチンにたどり着くには欲が多すぎる
あれこれ想像力を膨らましている時間が楽しくて仕方がない
自分の今のキッチンを振り返る
窓もあるしオーブンもある、
洗濯機も置けて洗濯物も干せるし動線的にも申し分ない
けれど自然の中で時間を過ごすようになってキッチンに求める私の思考も少し変わったようだ
自然の中へ入るときは最小限の道具と食料だけ
水の流れが近くにあり、蒔きを集めて火をおこせばそこは立派なキッチンになる
たとえ白米だけの料理だったとしても家のキッチンで炊くよりも美味しく出来上がるときがある
それは焚き火の香ばしさが白米を美味しくしてくれるから
そうなってくると本当に自分に必要なものはなんなのか
お金をかけて立派なキッチンを作るよりもっと自分にあったキッチンがあるような気がしてきている
まだまだ時間がかかりそうだ
その分ワクワクも続く